
何の特技も取り柄もない私でも、手応えのある何かをつかんでみたいと思う。
本当にささやかな願いで、誰でもやっていそうなことだが、私にはとても大きな意味を持っている。
何かをつかんだ実感がなければ、人生が虚しく意味のないように感じてしまうからだ。
「私には何が出来るのだろう?」
「私は何がしたいのだろう?」
これからやりたいことを探すのではなくて、長く無駄に過ごして来た過去の中に、やり残したことがあると思っている。
新しいことに挑戦するよりも、過去に挫折したことの方に思いが強い。過去の駄目な私へのリベンジのような気持ちなのだ。
過去の自分が手に入れられなかったことを、老いた私が手に入れることが出来たら、大きな満足を得られると思う。
もっと厳密にいうと、「手に入れる」とか「つかむ」とか結果や成果を求めるというより、何かに精一杯「打ち込んだ」、諦めずに「続けた」という実感としての手応えという意味の方が強い。
これまでの何度もの挫折の経験から、そう簡単に「手に入れる」なんてことは難しいことと分かっている。
だから、根気のない私が、「飽きずに」「続ける」ことができれば、私にとっての手応えなのだ。
勿論、成果が出るのに越したことはないが、結果を求めると挫折することは分かっている。
だから、「長く続ける」ことに手応えを求めたい。そして、「楽しく」できたら最高だと考えている。
私が過去に何度も繰り返して挑戦し、挫折したことはいくつもあるが、中でも次の3つのことへの憧れは常に頭から離れない。
1、プログラミング
別にゲームだとかアプリだとか、何かを作りたい目的がある訳ではない。
それよりも、無から何かを作れることに神秘的な魅力を感じてしまうのだ。
自分の手先から記した文字や記号の集まりから、何かが生まれる感覚がたまらないのだ。
それに、無駄のない言語的な美しさにも魅了されてしまう。論理的な、数学的な美しさだ。
2、外国語
外国人と話す機会が多い訳ではない。会話というよりも、外国語で触れたい文化の方に惹かれる。
私は外国に行かなくても、空港に入っただけでウキウキしてしまう。外国の雰囲気を感じるだけで幸せなのだ。
会話もできれば最高だが、それよりも、例えば外国語で本を読めるだけで満足する。
特に、英語と中国語を理解できたらいいと思っている。
3、小説(物語)
小説とか物語とか脚本とか、何でもいいのだが、頭の中で想像したイメージを言葉で積み上げて、ストーリーを作り上げることに憧れる。
これも、無から有を生じさせることだ。私は無から形のあるものを作ることに興味を覚える傾向がある。
小さな物語でもいいから、何もないところから、形のあるものを作ってみたい。
小説でなくても、詩や俳句、短歌、歌でも何でも、物語(ストーリー)をあるものを、無から作ってみたい。
これらの3つのことを、私は何度も挑戦しては挫折してきた。だから、とても悔いが残っている。
少しでもいいから、その悔いにリベンジしたいのだ。
4、読書(本との出会い)
それから、これはリベンジではないが、好きなものに本がある。読むのも好きだが、集めるのも好きだ。だから、電子書籍には魅力を感じない。現物の本にしか心を惹かれない。コレクター的な性分なのかもしれない。
私にとって本は、知識というよりも、未知のものにめぐり逢いたい願望を手軽に実現できる手段なのだ。自分の生活環境では決して会わないような著者や、その考え方に巡り合うことができる喜びがある。
なかなか自分の人生を変えるような本には出会えないが、それでも生き方の指針になる本には何度も出会うことができた。
だから、本との出会いをこれからも続けていきたい。
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